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中之口川と鮭の遡上②

偶然見かけた鮭の遡上について再び考察してみます。
なぜ障害の多い中之口川を通るのか。


鮭の遡上について調べた範疇でおさらいしつつ
ちょっと鮭になった気分で想像してみます。


生まれた川、育った川に鮭が戻ってくることを
母川回帰というらしいです。
詳しいメカニズムは判っていませんが
鮭にとってみれば、稚魚の頃一番安全で過ごしやすかった場所
そこで次世代に命のバトンを託したいと思うのは自然な流れでしょう。

河川や沢によって違う、水中に含まれる微妙なアミノ酸バランス
育ち盛りの鮭の稚魚は、知らず知らず記憶すると言います。
将来ここまで戻ってきて天寿を全うしようとDNAに刻むのかも知れません。
他にも常に磁気を感じとって、育った場所の経度緯度を把握しているとか
最新の調査では、視覚に頼って(つまり水中の景色!)覚えているという
研究結果もでているそうです。

清流で孵化し、稚魚として成長する鮭の赤ちゃん
肉食のイワナや近似種のヤマメ・アマメとの競争がイヤなのか
体が肥大化する自身の運命を知ってるのか
春になると餌場を求めて、自然と川を下り海へと向かうそうです。
※近似種のヤマメ・アマメは留まる


鮭の過ごしやすい適水温は3~15℃と言われていて
オホーツクなどの冷たい北の海で数年成長し、
充分に成熟した頃合いで
生まれ育った川が適温になってくる秋に遡上するのだとか。

凄いですね、自然のメカニズム。
鮭の生態にも純粋さと切なさを感じてしまいます。

では本題。

上の図を観察してみると、ここを通る鮭は
千曲川や魚野川、刈谷田川水系の鮭で間違いなさそうです。
加茂川や五十嵐川水系に行くには流れが逆で不自然ですし
中之口川は産卵場所にするほど清流でもなければ
天敵の少ない安全な川でもありません。

つまり、川を下って海へと向かう際に
たまたま中之口川を通った鮭たち、と考えるのが自然でしょう。
鮭たちの帰還率は1,000匹下って2匹が戻る
わずか0.2%の生存確率だそうです。
オホーツクやベーリング、アラスカにも行ったやつ
きっと中に混じっていると思います。

偉大なる彼らを知ると
ますます「なんで中之口?」という思いも。

 

長くなったので、その③へ続けます。