熟成という名のメタボリックシンドローム
自転車の世界には「サドル旅」という言葉があります。
自分のコンディションに合った（お尻に合った）、ベストな接地面を探してトライし続ける果てしない過酷な旅です。
おそらくは永遠にゴールは訪れないと旅人は気づく、だが止められないというのがサイクリストの大半だろうと思います。
ココにセライタリアという老舗メーカーの「turbo:ターボ」と「Flite:フライト」というサドルがあります。どちらも80年代からある古いカタチの定番サドルで、ターボは87年製（33年前）、フライトは2016年製（4年前）のモノ。もともとフライトがターボの軽量版として開発された経緯があるので、形状から座り心地まで共通点が多いといわれています。実際使ってみると、内股が擦れるサイドスカートの長短の違いとパッドの厚みの違いがわずかに感じられるくらいで、経年劣化分を差し引けばほとんど同じ感触が伝わってくるサドルだと思います。
この2つは共に革張りサドル。撥水性や表皮の養生で時々オイルを塗ることがあります。ターボのほうが古いのでオイルの馴染みが深く少し柔らかい、そう思っていました。
先日ふと思って重さを計ってみたところ、ターボが348ｇ、フライトが227ｇでした。それぞれ手に入れた際の新品状態で300ｇ、220ｇでしたから、不思議なことにそれぞれが経年変化で太った感じになっています。普段は気づかない熟成、サドルも老成してゆくのでしょうか。
新型コロナや怪我で身体が動かせない日々が続いていました。
巣ごもり生活はまだ続きますが
これ以上ムダなオイルがのらないよう気を付けたいと思います。
