マイ・エディメルクス STORY ②
自転車(当時のTREK2.0:アルミカーボンバックフレーム)に再び乗り出して数年経ったある日、何気に見たオークションサイトにそのフレームはありました。
再塗装でボテっとしているものの綺麗で状態も良さそう、しかもサイズが許容範囲(シート540、トップ550)。ヘッドが短めなのと適当な塗装(偽デカール)に目を瞑れば全然OKでした。あれだけ中古に反対していた主治医こばりサイクルさんも何とか妥協出来る範囲の物でした。
〈某オークション出品時の画像〉
ここでフレームの詳細を。
シリアルはBB下に刻印があります。
Serial Number: P 4 Z 2665
コレから解る事は、Columbus SLチューブを使ったProfessionalグレードでサイズは540(シートT)。創業初期の1985年製の2665番で、重量を測ったところフォーク併せて2700gあります。SLXチューブのコルサだとあと数十グラム削れたとは思いますが、まぁ良いでしょう。乗り手のウェイトを考えれば全く問題ない(笑
加えて説明すると、まだデローザ委託が残っていた時代らしくステーや小物などの仕上がりがバラついていた最期の頃のものです。チェーンステーの潰しはごくわずかで補強ブリッジが入った堅くて丈夫なタイプです。
当初の色は不明ですが、元々のオーナーがショップへMolteniカラーへのチェンジを依頼(90年頃か?)。しかし乗られる事なくe_Bayに出品されます。これは憶測なのですが、ファーストオーナーは仕上がりに満足出来なかったんだと思います。なぜならショップの出品説明では「メルクス工房にてリペイント」とうたっていますが、明らかに嘘でデカールやラグ抜きの処理など仕上がりが雑です。メルクスのロゴが往時と違う事が決定的なポイントだと思います。
〈米国有名ショップのe-bay時の画像〉
世界的に見るとMolteni好きのオーナーは多く、メルクス製、デローザ製、コルナゴ製それぞれのレプリカを所有する方や年代毎なのか微妙に色やステーを変えて複数所有する方もいらっしゃいます。押し並べて言えば、エロイカ世代のファンは目が肥えている方が多いのだと思います。
〈英国サー・ウィギンスもその一人:これは売却済みバイク〉
そんな中、食指を伸ばしたのがセカンドオーナーとなった京都のコレクター。確か喫茶店(?)を経営されている方でヘッドパーツを入れ店内ディスプレーとして飾ってあったようです。その後スペース上の制約から手放され、山梨でビンテージショップを経営されている方のもとに。
〈京都オーナー譲渡時の画像〉
彼は一旦、青山の某有名ショップにてフレームのセットアップをして、組む直前までいったのですがサイズ感が違いすぎたために断念。本来の目的だった貴重なレコードヘッドパーツを外して出品し、ようやく私の手元に来たという経緯です。(実際は落札出来た直後に私が骨折入院したために2か月ほど間が空いた)
こんな紆余曲折があったのも、少し因縁めいて好きなポイントです。
到着して開梱した時の写真もご紹介します。
サイズがミヤタ・メルクスより一回り大きく、ソリッドなMoltiniカラー。そしてカンパラグを使ったメルクス製、ヘッドバッヂも同じ意匠でとてもホッとした記憶があります。何よりタッチアップ痕や塗装ハゲが点在するものの、説明どおりサビがほとんどなかった事が嬉しいポイントでした。
懸念のデカールは後で自作しました。
市販のものという手もあったのですが、より愛着が湧くようにオリジナルを制作して貼っています。
ここから妄想のように一気に夢が広がっていきましたが、完成はまだまだ先です。